目次
トレーニング前のエネルギー補給について
効率よくトレーニングする上で欠かせない栄養補給ですが、場合によっては逆効果となってしまうこともあります。
トレーニングのため食べたのにまだ消化できてなくて胃が気持ち悪くなったとか、食べてしばらくしてから走ったけど力が出なかったとか。
これらは消化・吸収にかかる時間や食後の血糖値について理解しておけば解決できる問題です。
そこで今回は食べ物の消化と吸収について整理し、トレーニング前に最適な栄養補給について考えていきたいと思います。
消化と吸収の流れ
消化/吸収の過程において、食物は口→胃→小腸→大腸という消化器官を通ります。
それぞれの器官の役割としては以下の通りです。
①口
噛むことで食べ物を細かくし、唾液と混ぜあわせて、主にデンプンを分解する。
②胃
胃液により、主にタンパク質を消化し、ペプチドという物質に分解する。
胃内の停滞時間は、食物によって異なります。
- 水→0
- 果物→1~2時間
- 野菜→2~3時間
- 炭水化物→2~3時間
- 魚介類→3時間程度
- 肉→4時間以上
③小腸
腸管内の消化酵素により、各栄養素を吸収できる大きさまで分解、吸収する。
栄養素の9割は小腸で吸収される。
小腸での消化吸収にかかる時間は7~9時間程度。
④大腸
水分と小腸で吸収しきれなかった残りの栄養素を吸収する。1
水分と栄養素を吸収し25時間~72時間ほど腸内に停滞した後、便として排出される。
これを見ると肉・魚を含む食事は胃を通過するのに3〜4時間以上かかります。 つまり仮に肉・魚を含む食事をしてから2時間後にランニングをしたとするとまだ胃にに食べ物が残った状態で走ることになり、胃もたれや気持ち悪さの原因になってしまいます。 また、多くの栄養素は小腸で吸収されますが、
糖質をとったあと血糖値がすぐに上がる理由
最初に消化される栄養素は、口の唾液によって分解される「糖質」です。
炭水化物は糖質と食物繊維に分けられますが、唾液によって「糖質」であるデンプンが分解されます。
分解されたデンプンはそのまま胃にはほとんど滞在せず、小腸に到達して吸収されるため、他の栄養素よりも早く吸収されます。
そのため糖質を摂取すると他のものより早く小腸に達して分解され、結果として血糖値が上がるという仕組みです。
トレーニング前に最適な栄養補給は?
糖質
トレーニング前は、トレーニングによって消費される糖質やタンパク質を補給し、血中のグルコース(糖質が分解されたもの)と、アミノ酸(タンパク質が分解されたもの)の濃度を高めておくことが望ましいとされています。
まず糖質ですが、おにぎりやパンの場合は消化に2〜3時間かかるためトレーニングのために補給するとなると、吸収にかかる時間も含めると少なくとも2時間以上前、できれば3時間以上前に食べてきたいところです。
もし2時間前までに補給が済ますことが難しい場合は、スポーツドリンクやジェル、ゼリー飲料、糖質を多く含んだプロテイン、フルーツジュースなどをトレーニング1時間前や直前にとると良いでしょう。
ここで1つ注意すべきなのが、「インシュリンショック」です。
これらをトレーニング1時間前〜トレーニング前の間に摂取すると、血糖値の上昇に伴いインシュリンが多く分泌され、血糖値の急低下いわゆる「インシュリンショック」が起こります。
血糖値が急激に下がった状態だと身体にうまく力が入らず、パフォーマンスが落ちてしまいます。
そのためインシュリンが分泌される前にトレーニングを開始できるよう「トレーニング直前」に摂取するか、インシュリンが分泌されてから血糖値が落ち着いた後トレーニングを始められるように「トレーニング1時間前」に摂取するようにしましょう。
タンパク質
続いてタンパク質ですが、普段の食事で肉や魚をしっかり摂る事に加えてトレーニング直前にBCAAを摂取することをお勧めします。
BCAAはタンパク質が分解されたものであり、胃で消化の必要がないため小腸でそのまま吸収されます。
そのため、摂取してから吸収されるまでのスピードが早くトレーニング前のタンパク質摂取に向いているといえます。
摂取量については体型(身体の大きさ)にもよりますが、1回あたり5〜10gで良いでしょう。
女性や体重の筋肉量の少ない方は5g、筋肉量の多い方で10gが目安です。
今回は食べ物の消化や吸収にかかる時間と、トレーニング前の栄養補給について考えてみました。
トレーニング効果を最大化するために、栄養補給も意識してみてください。
最新記事 by tassan (全て見る)
- 10km ハーフマラソン向けおすすめインターバル - 2020年7月19日
- マラソンでサブ4.5を目指す!ダニエルズ式に基づくトレーニング計画 - 2020年7月18日
- マラソンでサブ3.75を目指す!ダニエルズ式に基づくトレーニング計画 - 2020年7月18日
- マラソンでサブ3.15を目指す!ダニエルズ式に基づくトレーニング計画 - 2020年7月18日
- マラソンでサブ3.5を目指す!ダニエルズ式に基づくトレーニング計画 - 2020年7月18日