2019年6月から、かねてから気になっていた「training peaks」を使い始めました。
training peaksはトレーニングを強度、時間の両面から身体にかかる負荷や、疲労など日々のコンディションを可視化できるツールです。
今年の9月のレースで思ったようなレース結果を残すことができたのも、training peaksのおかげと思っています。
そこで今回はtraining peaks導入に至った経緯から実際使ってみてどうだったかについて書きたいと思います。
目次
トレーニングをうまく積み上げられていなかった過去
2019年1月から本格的にトレーニングを開始していますが、疲労が溜まりやすくその日に予定していたトレーニングを最後までこなせなかったり、設定タイムを下方修正せざるおえないことがありました。
つまり、「疲労」をコントロールできていなかったんですね。
このトレーニングを行うと、どれくらいの疲労が溜まるのか、翌日以降にどれくらいのトレーニングをこなすことができるのかが分からず、見通しを立てにくかったんです。
そのため、適切なトレーニングプランが立てられませんでした。
そこでこの問題を解決すべくネットで色々調べた結果、「training peaks」の導入に至りました。
training peaks導入のメリット
training peaksではトレーニングを行った際に身体にかかる負荷を「TSS(トレーニングストレススコア)」で表示されます。
TSSはトレーニング強度と運動時間で計算されます。
つまり、長時間トレーニングをしても運動強度が低い場合と、短時間のトレーニングでも運動強度が高い場合では、トレーニング時間は違っても身体にかかる負荷は実は同じ、ということもあるわけです。
ちなみに1時間ギリギリ持続できる運動強度で1時間運動した場合のTSSは100。
このTSSをtraining peaksではGARMINなどから情報を取り込んで自動的に計算してくれます。
ここで間違えてはいけないのは、運動レベルが高い人と低い人だと同じTSSでも全く同じきょうではないということ。
TSSは個人ごとの運動能力(例えばバイクならFTP)の何%での強度でトレーニングしたかによって算出されます。
200wでバイクを1時間漕いだ場合、FTPが200wの人からしたらTSS100のトレーニングになるし、FTPが300wの人からすればTSSはそこまで高くなりません。
その人にとってどのくらいの負荷をかけたかを表したものがTSSです。
今まで時間と強度という2つの尺度でトレーニングを管理していたものを、時間と強度を掛け合わせ1つ尺度で管理できるので身体にどの程度の負荷をかけられたかが一目でわかる。
TSSという尺度自体は元々あったようですが、これを自動で情報を取り込み自動で計算してくれるのはかなりありがたいです。
また、加えて日々のトレーニングのTSSからフィットネス(CTL)、疲労(ATL)、フォーム(TSB)という項目で身体のコンディションが表示されます。
表記方法が異なりますが、中央のFITNESSと表示されているのがCTL、FATIGUEがATL、FORMがTSBです。
CTLは過去42日間の1日あたりのTSSの平均値です。
過去約1ヶ月半でどれくらいの負荷をかけられているか、トレーニングが積めているかが分かります。
ATLは過去1週間の1日あたりのTSSの平均であり、1週間の練習の影響を数値化したものです。
この数値が高いほど身体は疲れた状態であることを表し、長期間ATLがCTLを上回るのは故障のリスクが高く避けるべきと言われています。
TSBは日々のコンディションを表したもので、0を基準としてマイナスは疲労が溜まっている状態、プラスは数値が高いほど疲労が抜けている状態でレース前には+5〜20前後が良いとされています。
上記のように疲労を可視化できることに加え、トレーニング予定を前もって入力しておけばその時点での疲労やコンディションの予想値も知ることができ、トレーニングプランを立てやすくなります。
また有料のプランではレースの予定を入力しておくことで、週ごとにどれくらいのトレーニング量(TSS)をこなせばレースにピークをもっていくことができるかも教えてくれるので、ピーキングにも役立ちます。
今までレース前の調整を人から聞いた方法を真似したりしてましたが、それはその人に合った強度、量での調整であって自分に適しているかはわかりません。
training peaksでは自分に適したトレーニング量を提示してくれるので、レース前の調整がしやすくなりました。
CTLの向上を目指す
2019年6月9日よりtraining peaksを導入し、まずCTL100を目指しました。
TSB(コンディション)はCTLからATL(疲労)を引いた値で求められます。
つまりCTLが高いと、TSSの高い、つまり負荷の大きいトレーニングを行なってもコンディションの下がりが少なく、負荷の大きいトレーニングを積み上げられるようになる。
そのため成長スピードが速くなる。
そう考えたわけです。
先人達のブログ等で「CTL100を目指そう」などCTL100を基準にされているものを多く見ますが、その理由もきっとそこにあるはず。
これらのことから、まずはCTLをいかに早く、無理なく高めるかを優先して取り組みました。
CTLを高めるということは、時間のない自分にとってはそれだけ質の高いトレーニングを積み上げる必要があるということ。
土台を作りながら成長する。
そう決めて日々のトレーニングに打ち込みました。
CTLの推移
training peaks導入時のCTLは43。
6/9 43
7/12 74
8/19 100
予定通りトレーニングを進めることができ、無事70日目で目標値に到達しました。
1ヶ月ごとに約30ずつ増えています。
1週間平均7上昇を目指してトレーニングを漸増的に増やしていきました。
CTLを100まであげてみて見えたもの
実際CTLをあげてみて感じたのは、TSS100以上の練習から回復するのにかかる時間が明らかに短くなったこと。
CTLが43だったころは3,4日かかっていたのが、100まで上がるとTSS120程度であれば1日おきにこなせます。
バイクTSS100の翌日に再びバイクのTSS100は辛いですが、ランTSS100はこなせます。
以前だと考えられなかったようなトレーニングプランもこなせるようになりました。
このおかげで成長スピードがかなり上がったと思います。
週に3、4日トレーニングされている方ならその時点でCTLが40、50程度ある方も多いと思います。
そこからトレーニングの組み方次第で3ヶ月弱で100まで到達でき、そこから成長スピードを加速させることができることを考えると、その効果は大きく試してみる価値はあると思います。
皆さんのトレーニングプラン作成の一助になれば幸いです。
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