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ダニエルズ式サブ4のためのトレーニング計画
「サブ4.5」とはフルマラソンで4時間30分以内で完走することです。
ランニング初心者の方がを始めてマラソン大会を完走したランナーが次に目指す目標としてこのサブ4をあげる方も多いのではないでしょうか?
サブ4を達成しようと思うと6:30/km以内で42.195/km走りきらないといけません。
この記事はマラソンで5時間を切れたけど、そこからなかなかタイムが伸びない、練習方法がわからないという方向けに書きました。
書籍「ダニエルズ ランニングフォーミュラ」にはジャック・ダニエルズ博士が考案した各個人の走力や目標タイムからそれぞれに合った練習ペースやトレーニング方法が書いてあります。
ここではサブ4.5を達成するためのダニエルズ式トレーニング計画について紹介します。
サブ4達成に必要な走力
ダニエルズ式ではサブ4.5達成に必要なVDOTは33とされています。
ダニエルズのVDOT一覧表はそのVDOTだと他の距離はこれくらいで走れるよという目安にもなるのですが、サブ4.5の目安であるVDOT33の他の距離のタイム目安は
- 5km:28分21秒
- 10km:58分54秒
- ハーフマラソン:2時間10分27秒
となっています。
サブ4.5を狙うにはレース本番までにで5km28分30秒、10km59分、ハーフ2時間10分は切っておきたいところです。
練習やレースでこのタイムを切ることができればサブ4.5達成がグッと近づいたことになります。
練習ペース
ダニエルズ ランニングフォーミュラでは、練習ペースを5つのペースに分けています。
まずは直近のレースの結果を下の表に当てはめて自分の練習ペースを確認しましょう。
※スマートフォンやタブレットで表が見にくい場合は画面を横にしていただけると見やすくなるかと思います。
VDOT | 1,500m | 3,000m | 5,000m | 10,000m | ハーフ | マラソン | VDOT |
30 | 8:30 | 17:56 | 30:40 | 63:46 | 2:21:04 | 4:49:17 | 30 |
31 | 8:15 | 17:27 | 29:51 | 62:03 | 2:17:21 | 4:41:57 | 31 |
32 | 8:02 | 16:59 | 29:05 | 60:26 | 2:13:49 | 4:34:59 | 32 |
33 | 7:49 | 16:33 | 28:21 | 58:54 | 2:10:27 | 4:28:22 | 33 |
VDOT | Eペース | Mペース | Tペース | Iペース | Rペース | VDOT |
30 | 7:27-8:14 | 7:03 | 6:24 | 5:49 | 67 | 30 |
31 | 7:16-8:02 | 6:52 | 6:14 | 5:42 | 65 | 31 |
32 | 7:05-7:52 | 6:40 | 6:05 | 5:34 | 63 | 32 |
33 | 6:55-7:41 | 6:30 | 5:56 | 5:27 | 61 | 33 |
※Rペースは200mのタイムで記載
もし10kmやハーフマラソン、マラソンのVDOTが異なる場合は距離が長いレースのVDOTを優先してください。
また1年以上レースに参加していない場合は現状の走力でどのくらいのタイムで走ることができそうかでVDOTを選んでください。
トレーニング計画
トレーニングは4つのフェーズに分けて行なっていきます。
- フェーズⅠ:Eペース
- フェーズⅡ:Eペース+Rペース
- フェーズⅢ:Eペース+Rペース+Iペース
- フェーズⅣ:Eペース+Rペース+Iペース+Tペース
フェーズⅠ
Eペースでのランニングを中心とした基礎トレーニング時期であり、基盤の構築を目的としています。
トレーニングは基本的にEペースでおこない、トレーニングの途中もしくは最後にウインドスプリント(10〜15秒間程度の軽いダッシュ)を加えます。
このEペースでのランニングを週3〜4回行い、週1回はEペースでのLランニング(ロングラン)も行います。
ロングランの距離は週間走行距離の25〜30%とします。
フェーズⅠ 週間トレーニングメニュー(月間走行距離100kmの場合)
日曜 | Lランニング(6km) |
---|---|
月曜 | 休息日 |
火曜 | Eペース(4km)+WS3本※ |
水曜 | Eペース(4km)+WS3本※ |
木曜 | 休息日 |
金曜 | Eペース(4km)+WS3本※ |
土曜 | 休息日 |
※WS=ウインドスプリント(10〜15秒間程度の軽いダッシュ)
フェーズⅡ
フェーズⅡではRペースでのトレーニングを取り入れ、サブ4.5で走るために必要なスピードを高めていきます。
Rペースでのトレーニングは200m〜400mでレストを挟んで3〜5本程度繰り返します。
週2回Rペースでの練習を取り入れますが、そのあいだにEラントレーニングまたは休息日を2日挟むようにしましょう。
また、フェーズⅡでもLランニングを継続します。
フェーズⅡ 週間トレーニングメニュー(月間走行距離100kmの場合)
日曜 | Lランニング(7km) |
---|---|
月曜 | 休息日 |
火曜 | Rペース400m×4(レスト400mジョグ) |
水曜 | Eペース(4km) |
木曜 | 休息日 |
金曜 | Rペース200m×6(レスト200mジョグ) |
土曜 | 休息日 |
フェーズⅢ
フェーズⅢは新しくIペースでのトレーニングを開始し、フェーズⅡで高めたスピードを持久性に変換する移行期にあたります。
Iペーストレーニングの目的はVO2max(最大酸素摂取量)の向上で、1000mのインターバルを3本繰り返します。
フェーズⅢでも今までと同様Lランニングは継続しますが、マラソンペースに体を鳴らすことを目的に2週間に1度はMペースでのトレーニングに置き換えます。
またスピード維持のためRペースでのトレーニングも週1回継続します。
フェーズⅢ 週間トレーニングメニュー(月間走行距離100kmの場合)
日曜 | Lランニング(8km、2週に1度はMペースで) |
---|---|
月曜 | 休息日 |
火曜 | Rペース400m×4(レスト400mジョグ) |
水曜 | Eペース(4km) |
木曜 | 休息日 |
金曜 | Iペース1000m×3(レスト3分ジョグ) |
土曜 | 休息日 |
フェーズⅣ
フェーズⅣは今までのフェーズⅡから高めてきたスピードを持久力に変換するフェーズで、Tペースでの20分走やクルーズインターバル(Tペース走を1分程度の短いレストを挟んで続けるインターバルトレーニング)を取り入れていきます。
Tペーストレーニングは週1〜2回行いますが、IペースとRペースのトレーニングと合わせて行うようにし、スピードも落とさないようにトレーニングメニューを組みましょう。
今までと同様にフェーズⅣでもLランニングも継続します。
フェーズⅣ 週間トレーニングメニュー(月間走行距離150kmの場合)
日曜 | Lランニング(8km、2週に1度はMペースで) |
---|---|
月曜 | 休息日 |
火曜 | Eペース(4km) |
水曜 | Tペース20分+Rペース200m×3 |
木曜 | 休息日 |
金曜 | Eペース(4km) |
土曜 | 休息日 |
※BU走=ビルドアップ走(徐々にペースを上げて走る練習のこと)
目標レースがすでに決まっている場合は、レースから逆算して各フェーズの期間を決めていきます。
例えばレースまでに14週ある場合、レース前に2週間テーパリング(レースに向けて練習量を落とし調子をピークに持っていくこと)期間とし、残りの12週間を4等分し各フェーズを3週間ずつとします。
週数に端数が出る場合はスピードが苦手なランナーはフェーズⅡとⅢを、持久力が苦手なランナーはフェーズⅠとⅣを長めにとると良いでしょう。
サブ4.5のためのテスト
以上のトレーニング計画に沿ってトレーニングを積むことでサブ4.5のための能力が向上していくはずです。
この記事の前半でサブ4.5を目指すには5km28分30秒切り、10km59分切り、ハーフマラソン2時間10分切りが目安になると述べました。
本番前にこれらが達成できていればサブ4.5濃厚ですが、本番前にちょうど良いレースがあるとは限りません。
そんな時はサブ4.5の目安であるVDOT33の練習ペースで以下のメニューをこなすことができるかどうかを試してみましょう。
- 6:30/km(Mペース)での15km走
- 5:56/km(Tペース)での4km走
- 5:27/km(Iペース)での1000m×3(レスト200mジョグ)
- 5:05/km(Rペース)での400m×4(レスト400mジョグ)
これをこなすことができればサブ4.5に必要な有酸素能力、乳酸除去能力、スピードが身についているといえると思います。
逆にどのメニューがこなせないかを把握することで重点的に取り組むべきメニューが見えてくるかもしれません。
サブ4.5に向けたトレーニングの前にこれらを試してみてどの練習ペースのメニューが苦手かを把握したうえで各フェーズの期間を調整するのも良いでしょう。
まとめ
今回はサブ4.5を目指す方向けのダニエルズ式トレーニング計画を紹介しましたが、ダニエルズの理論は各ランナーの走力に基づいた練習ペースからメニューを組むもので初心者にとってもベテランランナーにとっても取り入れやすいものとなっています。
今回の記事が市民ランナーのサブ4.5達成のために少しでも貢献できればと思います。
今回紹介した「ダニエルズ式トレーニングですが、実際の書籍にはトレーニング理論や様々な走行距離や練習頻度に合わせた練習プランも記載されていますので、1度は実際読んでおくと良いと思います。
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