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マラソンでサブ3を目指す!ダニエルズ式に基づくトレーニング計画

目次

ダニエルズ式サブ3のためのトレーニング計画

市民ランナーの憧れでもある「サブスリー

フルマラソンを走る人のうち上位3%しか達成できていないともいわれる狭き門です。

フルマラソンのベストを聞かれて、2時間○○分だよ」と言うとマラソンに詳しくない人でもすごさがなんとなく伝わるレベルです。

ただそれだけに難易度が高く、やみくもに練習しているだけでは達成は難しいでしょう。

「ダニエルズ ランニングフォーミュラ」にはジャック・ダニエルズ博士が考案した各個人の走力や目標タイムからそれぞれに合った練習ペースやトレーニング方法が書いてあります。

ここではサブ3を達成するためのダニエルズランニングフォーミュラを基づいたトレーニング計画について紹介します。

サブ3達成に必要な走力

ダニエルズ式ではサブ3達成に必要なVDOTは54とされています。

ダニエルズのVDOT一覧表はそのVDOTだと他の距離はこれくらいで走れるよ、という目安にもなるのですが、サブ3の目安であるVDOT54の他の距離のタイム目安は

  • 5km:18分40秒
  • 10km:38分42秒
  • ハーフマラソン:1時間25分40秒

となっています。

サブ3を狙うにはレース本番までにで5km19分、10km39分、ハーフ1時間26分は切っておきたいところです。

練習やレースでこのタイムを切ることができればサブ3達成がグッと近づいたことになります。

練習ペース

ダニエルズ ランニングフォーミュラでは、練習ペースを5つのペースに分けています。

直近のレースの結果をVDOT一覧表に当てはめて練習ペースを確認しましょう。

※スマートフォンやタブレットで表が見にくい場合は画面を横にしていただけると見やすくなるかと思います。

VDOT 1,500m 3,000m 5,000m 10,000m ハーフ マラソン VDOT
38 6:54 14:41 25:12 52:17 1:55:55 3:59:34 38
39 6:44 14:21 24:39 51:09 1:53:24 3:54:35 39
40 6:35 14:03 24:08 50:03 1:50:59 3:49:45 40
41 6:27 13:45 23:38 49:01 1:48:40 3:45:09 41
42 6:19 13:28 23:09 48:01 1:46:27 3:40:43 42
43 6:11 13:11 22:41 47:04 1:44:20 3:36:28 43
44 6:03 12:55 22:15 46:09 1:42:17 3:32:23 44
45 5:56 12:40 21:50 45:16 1:40:20 3:28:26 45
46 5:49 12:26 21:25 44:25 1:38:27 3:24:39 46
47 5:42 12:12 21:02 43:46 1:36:38 3:21:00 47
48 5:36 11:58 20:39 42:50 1:34:53 3:17:29 48
49 5:30 11:45 20:18 42:04 1:33:12 3:14:06 49
50 5:24 11:33 19:57 41:21 1:31:35 3:10:49 50
51 5:18 11:21 19:36 40:39 1:30:02 3:07:39 51
52 5:13 11:09 19:17 39:59 1:28:31 3:04:36 52
53 5:07 10:58 18:58 39:20 1:27:04 3:01:39 53
54 5:02 10:47 18:40 38:42 1:25:40 2:58:47 54
VDOT Eペース  Mペース Tペース Iペース Rペース VDOT 
38 6:11-6:54 5:45 5:19 4:54 54 38
39 6:03-6:46 5:37 5:12 4:48 53 39
40 5:56-6:38 5:29 5:06 4:42 52 40
41 5:49-6:31 5:22 5:00 4:36 51 41
42 5:42-6:23 5:16 4:54 4:31 50 42
43 5:35-6:16 5:09 4:49 4:26 49 43
44 5:29-6:10 5:03 4:43 4:21 48 44
45 5:23-6:03 4:57 4:38 4:16 47 45
46 5:17-5:57 4:51 4:33 4:12 46 46
47 5:12-5:51 4:46 4:29 4:07 45 47
48 5:07-5:45 4:41 4:24 4:03 44 48
49 5:01-5:40 4:36 4:20 3:59 44 49
50 4:56-5:34 4:31 4:15 3:55 43 50
51 4:52-5:29 4:27 4:11 3:51 43 51
52 4:47-5:24 4:22 4:07 3:48 42 52
53 4:43-5:19 4:18 4:04 3:44 42 53
54 4:38-5:14 4:14 4:00 3:41 41 54

※Rペースは200mのタイムで記載

もし10kmやハーフマラソン、マラソンのVDOTが異なる場合は距離が長いレースのVDOTを優先してください。

また1年以上レースに参加していない場合は現状の走力でどのくらいのタイムで走ることができそうかでVDOTを選んでください。

トレーニング計画

トレーニングは4つのフェーズに分けて行なっていきます。

  • フェーズⅠ:Eペース
  • フェーズⅡ:Eペース+Rペース
  • フェーズⅢ:Eペース+Rペース+Iペース
  • フェーズⅣ:Eペース+Rペース+Iペース+Tペース

フェーズⅠ

Eペースでのランニングを中心とした基礎トレーニング時期であり、基盤の構築を目的としています。

Eペースでのトレーニングの途中もしくは最後にウインドスプリント(10〜15秒間程度の軽いダッシュ)を加えます。

このEペースでのランニングを週3〜5回行い、週1回はEペースでのLランニング(ロングラン)も行います。

ロングランの距離は週間走行距離の25〜30%とします。

フェーズⅠ 週間トレーニングメニュー(月間走行距離250kmの場合)

日曜 Lランニング(20km)
月曜 休息日
火曜 Eペース(10km)+WS3本※
水曜 Eペース(10km)+WS3本※
木曜 休息日
金曜 Eペース(14km)+WS3本※
土曜 Eペース(10km)+WS3本※

※WS=ウインドスプリント(10〜15秒間程度の軽いダッシュ)

フェーズⅡ

フェーズⅡではRペースでのトレーニングを取り入れ、スピードを高めていきます。

Rペースでのトレーニングは200m〜400mでレストを挟んで3〜6本程度繰り返します。

週2回Rペースでの練習を取り入れますが、そのあいだにEラントレーニングまたは休息日を2日挟むようにしましょう。

また、フェーズⅡでもLランニングを継続します。

フェーズⅡ 週間トレーニングメニュー(月間走行距離250kmの場合)

日曜 Lランニング(20km〜25km)
月曜 休息日
火曜 Rペース400m×4(レスト400mジョグ)
水曜 Eペース(10km)
木曜 休息日
金曜 Rペース200m×6(レスト200mジョグ)
土曜 Eペース(10km)

 

フェーズⅢ

フェーズⅢでは新しくIペースでのトレーニングを開始し、フェーズⅡで高めたスピードを持久力に変換する移行期にあたります。

Iペーストレーニングの目的はVO2max(最大酸素摂取量)の向上で、1000mのインターバルを4本〜6本繰り返します。

フェーズⅢでも今までと同様Lランニングは継続しますが、マラソンペースに体を慣らすことを目的に2週間に1度はMペースでのトレーニングに置き換えます。

またスピード維持のためRペースでのトレーニングも週1回継続します。

フェーズⅢ 週間トレーニングメニュー(月間走行距離250kmの場合)

日曜 Lランニング(20km〜25km、2週に1度はMペースで)
月曜 休息日
火曜 Rペース400m×4(レスト400mジョグ)
水曜 Eペース(10km)
木曜 休息日
金曜 Iペース1000m×6(レスト3分ジョグ)
土曜 Eペース(10km)

フェーズⅣ

フェーズⅣは今までのフェーズⅡから高めてきたスピードを持久力に変換するフェーズで、Tペースでの20分走やクルーズインターバル(Tペース走を1分程度の短いレストを挟んで続けるインターバルトレーニング)を取り入れていきます。

Tペーストレーニングは週1〜2回行いますが、IペースとRペースのトレーニングと合わせて行うようにし、スピードも落とさないようにトレーニングメニューを組みましょう。

Lランニングも継続しますが、Eペース→Mペース→Tペースのような連続走も取り入れていきます。

フェーズⅣ 週間トレーニングメニュー(月間走行距離250kmの場合)

日曜 Lランニング(20km〜25km)2週に1度はE7km→M10km→T3kmのBU走※
月曜 休息日
火曜 Eペース(10km)
水曜 Tペース20分+Rペース200m×6
木曜 休息日
金曜 Eペース(10km)
土曜 Eペース(10km)

※BU走=ビルドアップ走(徐々にペースを上げて走る練習のこと)

目標レースがすでに決まっている場合は、レースから逆算して各フェーズの期間を決めていきます。

例えばレースまでに14週ある場合、レース前に2週間テーパリング(レースに向けて練習量を落とし調子をピークに持っていくこと)期間とし、残りの12週間を3等分し各フェーズを3週間ずつとします。

端数が出る場合はスピードが苦手なランナーはフェーズⅡとⅢを、持久力が苦手なランナーはフェーズⅠとⅣを長めにとると良いでしょう。

サブ3のためのテスト

以上のトレーニング計画を行うことでサブ3のための能力が向上していくはずです。

この記事の前半でサブ3を目指すには5km19分切り、10km39分切り、ハーフマラソン1時間26分切りが目安になると述べました。

本番前にこれらが達成できていればサブ3濃厚ですが、本番前にちょうど良いレースがあるとは限りません。

そんな時はサブ3の目安であるVDOT54の練習ペースで以下のメニューをこなすことができるかどうかを試してみましょう。

  • 4:14/km(Mペース)での20km走
  • 4:00/km(Tペース)での5km走
  • 3:41/km(Iペース)での1000m×6(レスト200mジョグ)
  • 3:25/km(Rペース)での400m×5(レスト400mジョグ)

これをこなすことができればサブスリーに必要な有酸素能力、乳酸除去能力、スピードが身についているといえると思います。

逆にどのメニューがこなせないかを把握することで重点的に取り組むべきメニューが見えてくるかもしれません。

サブ3に向けたトレーニングの前にこれらを試してみてどの練習ペースのメニューが苦手かを把握したうえで各フェーズの期間を調整するのも良いでしょう。

まとめ

今回はサブ3を目指す方向けのダニエルズ式トレーニング計画を紹介しましたが、ダニエルズの理論は各ランナーの走力に基づいた練習ペースからメニューを組むもので初心者にとってもベテランランナーにとっても取り入れやすいものとなっています。

今回の記事が市民ランナーのサブ3達成のために少しでも貢献できればと思います。

今回紹介した「ダニエルズ式トレーニングですが、実際の書籍にはトレーニング理論や様々な走行距離や練習頻度に合わせた練習プランも記載されていますので、1度は実際読んでおくと良いと思います。

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